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易経・易占を学ぶにあたって

エジソン竹の神秘

易占の八卦から読むと、電気は震 エジソンと竹

電気代が高騰して、大変です。家庭では節電に心がけて、乗り切りたいと思いますが、節電もやりすぎるとカリカリしていけませんね。「苦節は貞にすべからず」と☵☱水澤節の教えです。

私ごとですが、小規模な事業を営んでいますので、このところ電気料金の請求額が見たこともない金額になっていて、頭を抱えています。どうやって工面したらいいのかとトボトボと帰路に電柱を睨むように見上げましたが、ふいに、こんな歌を思い出しました。

♪僕は三丁目の電柱です。雨の日、風の日街角に立ち、通りを見てます。眺めています~♪確か、こおろぎ73というグループだったと思いますが、どことなく寂しいような懐かしい曲です。

ただいまと、帰ってくるとマンション住まいですが、帰宅するとき家内が玄関の照明をつけていてくれています。たったひとつ電球が点灯しているだけで、こころがホッとします。私のよどんだ暗い顔も、どこか明るくなるようです。学生時代、悪友と遊び、深夜に帰宅した時に、母が玄関ポーチを消さずに、点けてありました。起こさないようにと静かに扉を閉めても、今思えば、きっと目を覚ましていたんでしょう。背中が丸くなってきた母親に、心の中で詫びています。このように、電球ひとつで物語があります。

横道に逸れついでに、昔、エジソンが発明した竹のフィラメント電球の本物を見せもらったことがあります。米国の弁護士で弁理士だったヘンリー・幸田さんは、父の友人で、家族で親しくさせてもらっていました。爽やかな人柄で、黒を白と言えというような弁護士の依頼は、お金を積まれても頑として断る、正義感あふれる幸田さんでした。エジソン発明品の世界的収集家としても有名で、『天才エジソンの秘密~母が教えた7つのルール』という著書まで出されたほど。ある日、帰国していた幸田さんのホテルを訪ねると、「いいか、竹のフィラメントの電球をみせるよ」と少年のような笑顔で言い、カーテンを閉め暗くして、じんわりと明るくなる白熱電球をみせてくれました。
何度か使うと、竹が切れてしまうので寿命が短いはずなのですが、遠慮はしないで、この光を見てもらってこそ、収集家の幸せなのだと、惜しげもなく灯りをともしてくれたのです。20年以上経っても、あの温かい電球の色を忘れられません。

竹は、京都の岩清水八幡宮あたりの竹だそうで、エジソンがフィラメントに使える材料を探していたところ、日本の竹に目をつけたという話はあまりにも有名です。竹から始まった白熱電球が、今はLEDに替わりましたが、世界中に、あたたかい灯りをともしてくれています。
竹には神秘性があると感じます。私たちが使っている筮竹も、神が宿り、易者の一筮で、温かい、ともし火を照らしていきたいと思います。
八卦に当てはめると、電気は震や離になる訳ですが、四千年前は発明されてなかったものでも八卦に当てはまるのが面白いなと思いました。もちろん、物を八卦に当てはめているからで、当然といえば当然です。

八卦から発明のヒントが生まれます。

古代伝説の黄帝、堯、舜は、☴☵風水渙の卦の形を見て、舟を発明したと易経繋辞伝で教えてもらいました。
卦から物を想造する。これから先、どんな発明があっても、大まかな分類なら電気関係。そうなると震ばかりになってしまうのか?八卦は、天澤火雷風水山地の八象だけでなく、種々な角度から見た物事を容れる〔器〕であって、という抽象的な卦名がつけられました。新発明の品が、八卦にどう当てはまるか楽しみです。

加藤大岳先生は、八卦の取象について「周易と呼ばれ、周の国が滅んでも易の宇宙観、人生観などの易哲学は、時代とともに新たな生命を呼吸している」と述べられています。時代時代によって、いきいきと生きていくという、まさに、易経繋辞伝にある「生生これを易という」の一句ですね。(磯部周弦)

日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ

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