日本易学振興協会・理事長・宇澤周峰先生は、易占のことを語る上で、弓道に例えて話されています。今回のコラムは、宇澤周峰先生の言葉から一部抜粋いたします。
弓道と易道とが似ているところがあります。弓は「的」をめがけて、矢を放ちます。そして易も占う「的」である「占的」をめがけて筮竹を割ります。
弓道は見た目は、簡単そうにみえても実は難しく、28メートル先の「的」まで力が足りず、途中で落ちてしまったり、「的」からはずれて飛んでいってしまったりと、なかなかに「的」には当たらないのです。
「的」を当てるには、やはり練習しかありません。
しかし、上級者や師範になると「的」を外すことはありません。しかも、「的」の中心を打ち抜きます。
無になるのが難しいなら、一点だけを考える。
また、弓を射るときは、礼儀作法から始まり、そして「的」を一点に見つめて真剣に構えます。呼吸を整え、そして息をとめて、集中ができたときに、矢を放つのです。
その瞬間、頭の中、心の中はまさに「無」になっているのです。上達して名人に近づいてくると矢を放った瞬間に、当たったと手ごたえがあると聞いたことがあります。
弓道に限ったことではありませんが、上達するには練習と修業です。
そしてまた、オイゲン・ヘリゲルの名著である『弓と禅』のように、弓道は禅に似ています。易は弓道に似ているので、易占と禅は似ているところがあるといえるでしょう。
易道においても筮するときには、身を整えて、場を整える礼儀作法からはじまり、呼吸を整えることで、いわゆる調身、調息、調心で集中し、頭の中を無にします。一気に筮竹を二つに割るのですが、やはりこの筮竹を割った瞬間に、正しい卦を得たと感ずるものです。
いずれにしても、易占で正しい卦を得るためには、たくさんの練習と精神統一、自分なりの集中力の修業が必要になってくるのです。
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