8月になりますと、甲子園での熱い勝負に魅了されます。
高校野球の甲子園と、そして〔俳句甲子園〕が楽しみです。俳句甲子園をご存知の方は少ないと思いますが、高校生が、俳句に青春をかけると同時に、団体戦はディベート合戦も行われます。相手方の句を批判するのは、当然ですが、相手の俳句のいい点を見つけて、褒める学生もいて、見ている側もお互いをリスペクトしていて良いなと思います。
たった十七音で自分の心に浮かんでいる情景や気持ちを表現する俳句は、世界で最も短い文学ともいわれています。
2023年は、東京の開成高校が、連覇しているのですが、2024年はどうなるでしょうか。高校生の目がキラキラ輝き、俳句が好きで好きでたまらないという感じも伝わってきて、俳句の世界はもちろんですが、日本にも明るい未来があると思えてきます。中には、男泣きしてしまう学生もいて、可愛い一面も垣間見えます。とにかく、非常に熱が入っています。ちなみに2024年は、名古屋高等学校Aが優勝しました。ディベートが立派でした。私、個人的には、沖縄の興南高校Aの個性ある句に、しびれました。ツゴイネルワイゼン!(たぶん分からないと思いますので飛ばしてください…。)
私は、易学教室に入門したてのころ、宇澤周峰先生に八卦を教えていただき、板書をされながら☷坤をみて、文章。そして☲離が網に見えて来ませんか~。と言われ、あっけにとられるような思いで眺めていましたが、見えてきました。八卦の〔画象〕が面白くてしかたなかったです。
また、本卦では、☳☶雷山小過が飛鳥に見えたり、☲☴火風鼎が鼎に見えてきました。
易占いは他の統計学の占いとは違って、解読学。頭をクルクル回さないといけないというのです。そこがしこたま面白くなり、それから、もうすっかり易占のとりこになりました。
八卦は、覚えるよりも想像していくと楽しい
作家・井上ひさし氏は、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく(略)」と、こういう仕事が出来たら最高だと述べています。私も微力ながら、易占の奥深さを一人でも多くの人に、面白く伝えていきたいと思います。
さて、俳句甲子園は、愛媛県松山市で開催されています。その理由はもちろん俳人・正岡子規ゆかりの地であるからです。学生時代からの友人である夏目漱石もこの地で教鞭を執っていました。
23歳の年に喀血して、雅号をホトトギスの意味である「子規」にしました。結核や脊椎カリエスを患い短い命でしたが、生涯2万句を越える句を作りました。まさに、情熱です。不運が重なっていた人生でも、34歳という若さで亡くなるまでそれこそ生涯をかけて、俳句の道を邁進したそうです。
ありふれた日常のなかに、自然界の厳しさ、大きさを捉え、ある種の悟りさえ感じます。
〔病牀六尺、これが我が世界である〕
子規記念博物館館長の竹田美喜さんは今を生きる人々が、正岡子規から学ぶこととして次のように述べています。「俳句革新は、もとより、若い後輩を心から信じ、育んだ姿勢です。子規のもとには多くの弟子が集ってきました。若者を信じられない社会に、未来はない。批判を受けようとも、未来をつくる可能性が秘められているのです」
また、俳句や百人一首の中でも、好きな一句があったり、周易64卦の卦辞、爻辞の中でも、会員の皆様も好きな辞、嫌いな辞があるのではないかと思います。
ちなみに、壮年期の加藤大岳先生は、ある場面で、☵☵坎為水が好きだとの記述があり、目を丸くしました。
「一つ一つに吉凶悔吝を占示する内容が表現されているのであるから、いわゆる吉辞が好まれ、凶辞が忌まれるのは当然であるが、特に☰☰乾為天九四「或いは躍りて淵にあり」、☷☶地山謙の卦辞「君子終り有り」、「習坎、孚有り。維れ心亨る」の☵☵習坎の卦辞など共に好きである」と。
易辞も、短い文字数のなかに、多くの情景が浮かんできます。機会がございましたら、皆様のお気に入りの卦辞や爻辞を教えて頂ければ幸いです。(磯部周弦)
日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ。