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易経・易占を学ぶにあたって

天人地の三才観易経に学ぶ

天人地の三才観(さんさいかん)を易経から学ぶ

三才観(さんさいかん)とは、古代から考えられている東洋思想の宇宙論です。華道や武道にも通じるものがあり、その原点は、易経・繋辞伝(けいじでん)に詳しく書かれています。易占ではそれほど強くは用いませんが、易を学ぶ上では、知っておかないといけません。

三才は、この宇宙の三次元の世界をあらわしたもので「天・人・地」をいいます。ちなみに、妻夫木聡さんが演じた、直江兼続の生涯を描いたNHKの大河ドラマのタイトルは「天地人」でした。
一般的には、「天地人」という言い方のほうが親しまれていると思いますが、易的な観点からすると天と地の間に、人があるという意味で、「天人地」と、ここではしておきます。

小成卦大成卦で天人地の位をあてはめます。

聖人、卦を設けて象を観、辞を繋けて吉凶を明らかにす。
剛柔は相い推して変化を生ず。
是の故に吉凶とは失得の象なり。悔吝とは憂虞の象なり。
変化とは進退の象なり。
剛柔とは昼夜の象なり。
六爻の動きは、三極の道なり。

この章の「六爻の動きは、三極の道なり」という部分にあたります。三極というのが三才にあたります。

易占いでは、六爻の位置や動きも見ます。

易経の機構では六爻は、大成卦の初爻から上爻までの位を指します。その位は不動のものであって、その一爻一爻は、陰であったり陽であったり、それぞれ異なっていることが分かります。

これを「動」とあらわしました。分かりやすく陰陽と言いましたが、細かく表現すれば陽は剛、陰は柔となっています。易を学んでいくとはじめは易占重視で当たった、はずれたを気にしますが、よく易経を読み込んでいくと、こういった微妙な違いに気づく時がきます。

さて、三才観に話を戻しましょう。天人地をあてはめれば小成卦では下が地、中が人、上が天となります。大成卦では、初爻・二爻が地、三爻・四爻が人、五爻・上爻が天となります。易経の本をお持ちなら、☰☰乾為天の卦を開いてみて、爻辞を抜粋すると

上九 亢龍悔い有り
九五 飛龍天に在り
九四 或いは躍りて淵にあり
九三 君子終日乾乾
九二 見龍、田に在り
初九 潜龍

初爻は龍が潜っていたり、二爻は田(地上)に出てきたといった話で三才の「地」に当たります。

三爻の君子は人であり、四爻の「躍りて」というのは惑っていることですので、これも人の心につながります。よって三才の「人」に当たります。

五爻の天、そして上爻の亢は昇り過ぎている状態で、どちらも天にかかわっていて三才の「天」に当たります。

このように、全体と部分の関係性に着目した「三才」を意識した宇宙論が易経には流れています。

じっくり易経を読んでいると、中庸(バランス感覚)や三才の統合的な視点を持つことが出来てきます。そして、自分の生き方に確信が持てるようになります。自己革新のためにも、易経を学んでみませんか?

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