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易経・易占を学ぶにあたって

古代中国の食文化 孔子様はラーメンを食べた?

易経、儒学の孔子は、ラーメンを食べた?

 皆様、どんな秋をお迎えですか。私は、食欲の秋です。
子供の頃、お腹を空かせて帰宅し、夕飯がカレーだと聞くと、とてもうれしかったものです。まあ今、中年男になっても、やはり変わらずカレー好きの私です。食の好みというものは、さほど変わらないのかも知れません。

 母親が、玄米食を推進する桜沢リマ(里真)さんの創設した料理教室にせっせと通っては、玄米ごはんは、身体に良いからと、私が小学校四年生くらいまでは、我が家は毎日玄米でした。
しかし、学校にお弁当を持っていくときは、憂鬱でした。周りの友達とご飯の色が違うので、仲間外れになりたくなかったのだと思います。チラチラと周りを気にしながら、弁当箱のフタで隠して、かけこんで、食べた想い出があります。

けれども、玄米は身体にいいのでしょうね。現在ではマクロビオティックと呼ばれるそうですが、そのお蔭で大病もせず、喘息気味で、小さかった身体も比較的健康に育ちました。幸いにして大病も大手術などありませんでした。今思えば、感謝の一言です。
母親のブームが去ったのか、ある日、玄米から白米に変わって、私たち姉弟は大喜び。その横で苦笑いしていたであろう母の顔が浮かびます。

 ご存知の方も多いと思いますが、大人になって調べてみると、桜沢リマさんの夫である桜沢如一氏は、易経を学ばれて、その陰陽の世界観を健康的な食事法に、落とし込み、いくつかの定理に整理した『無双原理・易~実用弁証法』を書かれています。なるべく農薬を使わない食材とか、添加剤も使わず、いわゆる〔身土不二〕といって、身体と環境の土壌は切っても切れない関係だという理論や、これは陰性の食べ物、陽性の食べ物であるなど分類化した桜沢如一氏は食文化で易学、東洋の陰陽理論を欧米に広げた有名な方でした。


 さて、社会人になってからの私の昼食は、ほぼ毎日、安くてボリュームもあって美味しい三拍子揃った中華料理でした。そのことが原因ではないのでしょうが、今や立派なメタボ。健康診断では、食べ過ぎと運動不足を毎回指摘されているので、なるべくお蕎麦や、和食を心がけています。それでも、やっぱり、たまに食べるラーメンや中華料理は美味しいですね。
 昼食後、孔子が食べていたご馳走中華はなんだろうと、古代中国の食文化を近所の図書館で、少し読んでみましたら、ラーメンも餃子もありませんでした。
当然といえば、当然です。今から約2300年前の戦国時代は、あわが主で、上等な穀物といえば、もち・キビだったそうです。主食は豆が多かったそうで、麦や豆のご飯に、スープが一般的で、お米はさらに、その上をいく超贅沢品でした。

 一方、野菜や魚はしっかり食べていました。お魚で当時の資料に残っているのは、淡水魚。酢じめのようにして食べる刺身スタイルだったそうです。『詩経』には、大根、ニラ、なずな、わらびなど山菜も食べていたと載っていました。考えてみますと、お肉はそもそも、祭祀に使われていたものなので、慣習化されるのは、まだ後のようです。
 また、王様や貴族の主食は、あわであったと『周礼』に記載があります。お酒はというと、玄酒といって、ほぼ水のようです。片や、春秋戦国時代の煮込みスープは美味しかったそうです。特に宋の国では、羊料理があり、特製スープもあったそうです。しかし調味料が入っていないので、うまみは少ない、とあまり美味しそうではありませんでした。中華は、孔子を身近に感じる味。うん、明日の昼食はこってり中華にしよう。ダイエットは明後日からになりそうです…。(磯部周弦)

日本易学振興協会では、宇澤周峰先生が東京などで易経とともに、本格的な筮竹を使った周易・易占教室を開催しています。主に、三変筮法、六変筮法を中心にした易占法です。詳細はこちらからどうぞ

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